小児外科専門研修コース

プログラムの概要

プログラムの全体像

外科学会のサブスペシャルティ領域(小児外科、心臓血管外科、呼吸器外科など)における専門医制度の方針が定まってきました。小児外科においては、プログラム制(病院群を定め一定期間の研修で資格を取得できる制度)とカリキュラム制(従来のように期間を定めず必要な臨床カリキュラムの取得を行う制度)の並立ができます。カリキュラム制であっても、小児外科修練開始を宣言し、指導医が修練終了をデータベースに登録された症例はカウントすることができます。従って、小児外科に決めている場合は、卒後研修に小児外科研修を入れると専門医資格の取得が早くなります。卒後研修後の外科研修は3年が望ましいとされていますが、1年終了した段階で小児外科研修開始を宣言することができ、2-2-3制度(卒後研修2年、外科研修2年、サブスペシャルティ3年)を採用しているサブスペシャルティ領域もあります。外科専門医に必要な350例を経験した後にサブスペシャルティ領域に移行してゆくことも考えられています。未だ骨子が定まっただけの状態で今後の詳細は流動的で、メール等で疑問点はお尋ね下さい。

当小児外科では、生後まもない新生児の手術から15歳までの小児手術を行います。新生児外科は、食道閉鎖、十二指腸閉鎖、小腸閉鎖、鎖肛、Hirschsprung病などの消化器疾患から、先天性肺分画症、CCAM、横隔膜ヘルニア、腹壁破裂、臍帯ヘルニアなど呼吸器から体壁に及ぶ広い領域の手術をしています。また、悪性腫瘍として神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、横紋筋肉腫、奇形腫といった小児期独特の腫瘍の治療を小児科、整形外科、脳神経外科、放射線科などの先生方と専門的治療集団を作成し、新潟県内の症例を統一した治療方針で集学的治療を行っています。既に、Niigata Tumor Boardとして40年以上の歴史があります。また、小児外科領域においても内視鏡手術は不可欠で、現在では手術症例の三分の一に内視鏡が用いられ、整容性にも優れた低侵襲手術を心がけています。

高頻度磁気刺激を用いた仙骨神経機能調節は、当科のオリジナルなプログラムで、排便機能障害や排尿機能障害に対する非侵襲的治療手技として、優れた効果を上げています。本年より新しい器機も導入され、外来レベルで多くの小児の治療を行っています。

プログラムの指導状況

□指導医からのメッセージ

新しい専門医制度の規範に沿って効率よく研修できる制度を構築しています。専門医取得は長い医師生活の一里塚です。教育と研究も早期から開始し、バランスのとれた小児外科医の養成を目指しています。

プログラム

専門研修の特色

小児外科学会では、年間手術症例100例に対し1名の研修生が適切と考えています。当科では毎年2名の研修が可能で、3年間の研修でカリキュラムを終了することができます。新生児は毎年15~20程度で、鼠径ヘルニア、停留精巣などの他に悪性腫瘍や胸部手術も多く、内視鏡手術も約1/3の症例に用いています。3年の研修で主要な疾患を過不足無く経験できます。カリキュラム制のため、大学院進学や海外留学などを研修期間に適宜組み合わせる自由度もあります。

小児外科専門医に必要な症例は術者として150例を含む350例で、大学病院では小児外科研修が効率よく行えるように症例に応じて優先的に術者を担当してもらうように配慮しています。大学研修の大きな利点です。

専門研修プログラムの概略

□研修期間

3年

 

□募集人数

3~4名

 

□選考方法

面接(口頭試験)

 

□専門医

小児外科専門医

 

□連携施設

新潟市民病院 県立中央病院 長岡赤十字病院 鶴岡市立荘内病院