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留学記

2011年7月4日

癌研究所から留学リポート

蛍光免疫染色:HeLa細胞 分裂後期(染色体分配) 高橋撮影
実験風景(遺伝子導入した大腸菌の回収)
Tim Huntと:シンポジウムにてcyclin発見者でNobel PrizeのSir Tim Huntと

留学報告   リポーター 高橋元子先生 (17年卒)

 

2011年4月から癌研究会癌研究所、実験病理部、広田亨先生のラボに留学中させていただいています高橋よりレポート致します。

 

細胞周期において、倍加した染色体は二つの娘細胞へと均等に分配されます。この染色体分配のメカニズムには未知の点が多数あり、広田研ではこの機構の研究をしています。極めて基礎的な分野ですが、染色体が均等に娘細胞に分配されない現象は多くの癌細胞に認められており、細胞の癌化のメカニズムに大きく関わった領域でもあります。現在、私が携わっていますプロジェクトとしては、Plk1(分裂期キナーゼ)のリン酸化基質の検索、大腸癌、膵癌由来の細胞のlive imaging (細胞を生きたまま長時間顕微鏡撮影) があります。種々の生化学的手法、cell imaging手法を用いながら、日々研究に励んでいます。

 

ここの研究室では、グループミーティング(研究進行状況の発表)・ジャーナルクラブで皆が活発なディスカッションを気軽に行うことができる環境を与えてくれます。広田先生とも密にディスカッションでき、テーマも自分で選べます。現在は研究が楽しく、家と研究所の往復の毎日ですが少し余裕ができたら、休日の楽しみ方もいろいろ見つけようと考えています。限られた研究期間ではありますが、多くを学び、少しでも癌の知見を深めることができればと思っています。

広田研のメンバー(2011年4月撮影)