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大学院生コラム

2011年8月2日

大学院生レポート 長谷川先生から (ご出産おめでとうございます!)

解析機器(振動は大敵)
サンプリング(埃は大敵)

大学院生研究室より (レポーター 長谷川美樹先生 平成17年入局)

2011年4月より新潟大学腎研究所 構造病理学講座 山本格先生の下で大学院生として日々研究を行っています。研究テーマは、乳癌に対する治療効果や予後を予測するタンパク質の同定とバイオマーカーとしての有用性を検証することです。そのタンパク質同定法としてプロテオーム解析を行っています。

ヒトの全遺伝子配列の解析が行われポストゲノム、ポストシークエンスといわれて久しい現在、遺伝子の表現形態として機能するタンパク質に対する関心が注目を集めています。細胞が持つすべての遺伝子をゲノムと呼ぶのに対して、細胞が持つすべてのタンパク質をプロテオームと呼びます。つまり、設計図である遺伝子に対し、遺伝子が発現して作られた産物として機能し調節されるのがタンパク質ということになります。そして、個々のタンパク質を対象として研究するのではなく、その機能や相互作用を網羅的にあるいは系統的に解析しようとするのがプロテオーム解析、プロテオミクスです。

山本先生はHuman proteome organization (HUPO, Motreal, Canada) の理事であり、Human Kidney and Urine Proteome Project (HKUPP、ヒトの臓器別全タンパク質解析の中で腎と尿の解析とデータベース化を行うプロジェクト) の代表者、Human proteome project(HPP、染色体からヒトの全タンパク質解析を行いデータベース化するプロジェクト)における日本の代表者でもあります。そして、日本プロテオーム学会の副会長であり、2011年7月28日、29日に開催される日本プロテオーム学会2011年大会の大会委員長でもあります。

こうした国内、世界的にもトップレベルの研究が行われている研究室は海外からの留学生、研究者も多く、国際色豊かです。また、社会人大学院生も多く、個性豊かな人材がそろっています。このようなことを書くと緊張感漂う研究室を想像してしまいますが、そのようなことは全くありません。もちろん、毎週行われるlab.meetingではpresentationに対して毎回たくさんの質問と意見があり、熱いdiscussionが行われていますし、個人個人は熱心に研究を行い、meeting 以外でもdiscussionが盛んに行われています。しかし、山本教授の人柄と講座の方針もあり、皆が仲間として日々切磋琢磨しているというのがこの研究室の特徴です。また、研究には糖分が必要なようで、たくさんのスイーツが瞬時に消費されていきます。昼食時におかれたお菓子達は、翌日には箱すらないこともたびたびです。

このように日本語と英語と中国語が飛び交い、時折甘いお菓子の匂いが漂い、体重増加を気にしつつ研究を行う日々は、一臨床医であった私にとって、興味深いことに囲まれた刺激的な日々となっています。

時間があっという間に過ぎていく緊張感漂う手術室も刺激的ですが、「なぜだろう?」をとことんまで突き詰める研究もまた魅力的です。

そんな刺激的で魅力的な日々を共に送ってみませんか?研究でより多くの患者さんを救えるように。

研究室の皆さん