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学会報告

2013年11月5日

ISW 2013 ヘルシンキに参加して

ポスター発表(坂田純先生)

リポーター 坂田 純先生(平成10年入局)

 

今回、2013年8月25日から29日までフィンランドのヘルシンキで開催された外科学の分野の国際学会であるInternational Surgical Week (ISW) 2013に参加してきました。そこにおいて、万国外科学会日本支部によりISWへの日本の若手外科医の参加を促進するために設けられた、今回、第1回目にあたるYokohama Award of ISS/SIC Japan Chapterを受賞させて頂きました。外科医として大変光栄に思いますし、このような賞を受賞できたのは、若井教授をはじめとした諸先輩方のご指導あっての賜物と心から感謝しております。

 

今回、受賞した演題は「Assessment of lymph node status in gallbladder cancer: location, number, or ratio of positive nodes」という臨床研究です。胆嚢癌におけるリンパ節転移の評価方法としてリンパ節転移部位、転移個数、lymph node ratioを比較し、リンパ節転移個数が最も評価方法として優れており、胆嚢癌に対するリンパ節郭清は転移個数3個まで有効であるという結論を報告させて頂きました。リンパ節転移をはじめとする胆嚢癌の進展様式の研究は、新潟大学第一外科肝胆膵グループで1980年代から行われてきた研究であり、その成果が今回、このような形で認められたことは、グループの一員として大変嬉しく思います。

 

フィンランドは8月に訪れたにも関わらず涼しいくらいで、幸い天候にも恵まれて非常に過ごしやすかったです。治安も良く、学会の合間ではありますが、綺麗な街並みを散策して記念撮影をしたり、世界遺産であるスオメンリンナの要塞群を訪れたりと、国際学会に参加したご褒美の様な楽しいひと時を過ごすことができました。

 

万国外科学会は1905年に第1回が開かれて今年で45回目を迎える、外科学の分野で最も歴史のある国際会議です。カナダのモントリオールで開催されたISW 2007、横浜で開催されたISW 2011に引き続き、私自身、今回で3回目の参加となりました。参加する度に、今世界で何が起こり、何をtopicとしてどのような議論がなされているのかをreal timeに体験でき、非常に刺激的に感じました。そして、この貴重な体験が自分自身の研究に対するモチベーションの一つとなっております。

 

今回の国際学会での体験やYokohama Awardの受賞を糧としてさらなる研鑽を積み、医学研究を通じて日本から世界に向けて研究成果を発信できるように努力していきたいと考えていますので、今後ともご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

Yokohama Award of ISS/SIC Japan Chapter 受賞者 と北川雄光教授
海上要塞 スオメンリンナ①
海上要塞 スオメンリンナ②